【外国為替市場概況】ドル、GDP統計など受け上昇

ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)27日の外国為替市場では、米国2007年10-12月期の国内総生産(GDP)成長率(確定値)が弱いながらもプラス成長を維持したことを受け、ドルが主要通貨に対して上昇した。

　米GDP統計を受け、ユーロはすでに海外市場ではテクニカル主導によって付けていたドルに対しての過去最高値まで戻すことができなかった。ユーロは26日も大幅上昇して最高値を試していた。

　ユーロは先週17日に過去最高値1.5905ドルを付けたが、今週26日にもドイツ3月のIfo景況感指数が強気の内容となったことを受け、再度この水準を試した。

　だが、先週はドルの売り持ちが急速に買い戻されたため、短期の投機筋は今週に入ってからドル以外の通貨に買いを入れているとブラウン・ブラザーズ・ハリマンのアナリストらは言う。今月末は、四半期末と年度末が重なっているため、多くの企業や政府による売買によって市場は不安定さを増しており、このため主要な水準を突破しにくくなっている。

　この結果、27日のドルは総じてレンジ内での推移を強いられた。

　ただ、欧州株が堅調だったことから、ユーロは円に対しては2週感ぶり高値の158円04銭まで上昇した。

　米商務省が27日に発表した米国10-12月期のGDP確定値は、エコノミスト予想と同じ年率0.6％の伸びとなった。

　「プラス成長となったことで、ややドルの下値を支えた」とソシエテ・ジェネラルの外為部門バイスプレジデント、カール・フォーチェスキー氏は言う。

　また、米国の週間失業保険新規申請件数もドルの支援材料となった。米労働省が27日発表した3月22日までの1週間における失業保険新規申請件数は、前週から9,000件減の36万6,000件となった。ただ、アナリストらは、労働市場の低調ぶりを考慮すればこの水準でもまだ多いと指摘している。

　ドルは、強気の米経済統計が相次いで発表されたことで一時100円00銭を超えたものの、その後は終日不安定な推移となり、結局は株価の動向に連動する形でユーロとともに円に対して小幅高となった。株高は通常、リスク志向の回復を支えるため、高金利通貨の買い材料となる。

　NY市場終値 27日17時50分 (26日17時50分)

　ドル 99円65-69銭 (99円00-03銭)

　ユーロ 1.5777-81ドル (1.5839-43ドル)

　英ポンド 2.0060-64ドル (2.0070-75ドル)

　スイスフラン 0.9934-38フラン (0.9888-93フラン)

　ユーロ 157円23-27銭 (156円85-88銭)

　豪ドル 91円52-62銭 (91円10-20銭)

　英ポンド 199円87-03銭 (198円71-77銭)

　カナダドル 97円87-05銭 (97円20-25銭)

　NZドル 80円14-20銭 (79円75-83銭)

日本経済新聞 - 2008年3月28日




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